映画館に久々に足をはこんだ。
この映画館はすてき。
もうコアな映画ばかりをこれでもかというほど
公開してくれる。
『100万回生きたねこ』というドキュメンタリーを観た。
絵本作家の佐野洋子さんの名作をじっくり
聞かせてもらった。
この絵本をオレなりに解釈すると、
りっぱなとらねこは誰かの所属物であることが
つまり嫌だった。りっぱなとらねこは
自分のことが一番好きだった。でも、100万回死んで
100万回生きた後に初めて自分よりも好きなねこが
生まれた。今の人はもっと自分のことを好きになるように
努力しなさい。自分のことをもっと好きになると
自分よりももっともっと好きな相手が生まれるかもしれない。
素直に誠実に一生懸命に自分を愛せる人が
素直に誠実に一生懸命に他者をも愛せるんじゃないの?
と、佐野さんに言われたような気がした。
]]>先日『カルロス』という映画を観た。
約5時間半の長編。
マルクシズムをテロルで実践しようとした
壮絶な男の半生を描いた力作――と勝手に自分で想像して
期待した。
彼、本名イリイチは、チェ・ゲバラを気取った
いんちきくさい革命家として登場する。
フランス人はこの男のうそ臭い革命理論を笑いたいがために
この映画をつくったのかもしれないと
勘ぐってしまう。
もしくは、ベニチオ・デル・トロの長編ゲバラ映画の
パロディとしてつくったのか。
いずれにしてもカルロスの
クライマックスはなんだか笑いがでるような。
C'est la vie!
とひとりごちそうな。
やっぱ、ちゃかしてるよな。
彼は今もフランスの刑務所にかがんでいるらしい。
現在64歳。
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