精神病院とは
おととい、シンフォニア岩国で
『むかしMattoの町があった』というイタリア映画が上映された。
約3時間の長編映画。
主催は、「ビタ・フェリーチェ」という社会福祉法人。
イタリアは国中から、精神病院という名前の収容施設を
全廃した。この映画はそれにまつわる歴史的なひとコマを
物語にした作品。
会場には、いわゆる精神障害をもった当事者やその家族
の方々が多かったが、本来は精神病院で仕事を得ている
人たちのほうが観るべき映画ではないか。
当事者やその家族の多くは、今の日本の精神病院をとりまく
制度にいっぱい疑問を持っているだろう。
でもそういう制度を維持したい人たちのほうが
社会的な立場も堅固で、金もあり、政治的な力も強いので
必然的に当事者が精神病院に依存してしまう体制から
抜け出せないでいる、と少なくともオレにはそう見える。
ことはそう単純ではないと精神病院会の偉い方々は
おっしゃるだろう。でも1960年代から日本以外の国々の
精神病院のベッド数はどんどん減っていったのに
日本はそれと逆に増えていった背景には、
ことが単純とか複雑とかいう以前に
精神病院という箱の中での経済的な利益を
うまい具合に社会防衛という布でくるんだのでは?
そう考えられる要素が少なからずある。
詳しくは、大熊一夫さんの
『精神病院を捨てたイタリア 捨てない日本』(岩波書店)
を読んでみてね。
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