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2015年2月

2015年2月28日 (土)

島辣韮

島らっきょうといえば沖縄?

だが辣韮に特別な品種はないらしい。

らっきょうは年中食える。

スーパーの店頭に並ぶ時期は6月頃。

らっきょう漬けにするために

その時期に出荷しているだけのはなし。

うちが好んで頂く時期は春。

野蒜もいいが刺激がマイルドな春辣韮もいい。

まだ球根部が細く酒の肴にぽりぽりとかじる。

さっと湯にさらし酢味噌をわきに盛って頂きます。

Dsc01352 周防大島も一応島なのでこれも島辣韮。

2015年2月27日 (金)

赤蕪

畑のカブもつぎつぎにとう立ちしつつある。

遅きに失しているがあきらめわるく

漬物にした。

筋張った皮を厚く剝いても

もうカブ本体は子孫を残すために

変身しはじめている。

野菜も生きている。

季節に背中を押されるように

冬を越え花を咲かせ種を結ぶ。

Dsc01344 麹玄米漬け。

2015年2月26日 (木)

春息吹

ふきのとうは春の象徴。

野原に緑の少ない時期に

彼らが顔をのぞかせると

なんとなく浮き足立つ。

また生命力が旺盛な季節が巡ってきた

また一つ歳を拾うた

そんな実感というか

ふきのとうのほろ苦い味と重なる。

地面に咲いた太陽に手を合わせる。

Dsc01334

2015年2月25日 (水)

みかん水筒

冬は野良仕事の合間に

だらだらする時間が意外に長い。

開墾など体を動かす作業をしたり

内職のような静かな作業をしたり

鶏たちや豚を眺めたり

寝っころがってまんじりと空や植物を見ていたり

一つの作業をえんえんと続けずに

あっち行ったりこっち行ったり。

傍から見るとそれって働いてんの?

って感じるかもしれないが

本人はおおまじめに働いているつもり。

休憩時にはみかんが水筒代わり。

山歩く時もみかん水筒。

家の中で頂くよりも外で水分と甘みを噛みしめながら

頂くみかんがありがたい。

Dsc01339 師匠から頂いた無農薬みかん。超ジューシー。

2015年2月24日 (火)

う○こ

日々の体調バロメーター。

3年前のこと。1か月くらいゆるゆるう〇ちが続いて

医者に行ったら大腸カメラで調べてみましょう

と言われ肝を冷やした。結局なにもなくて安堵したが

以来う〇こ日記をつけている。

といっても神経質に詳細綴るわけでなく

いつもつけている日記に一行

本日う〇こ有無。形状色匂いその他気付きを足す。

自分の身体から出てきた物をたんに

ばっちいと毛嫌いせずに

10秒観察するだけで自身についてあまたの

情報を得られる。

O_001 著者の文章が生々しくて笑える。拝読おすすめ。

2015年2月23日 (月)

小麦粉

そろそろ暖かくなりつつあり

穀類に付く虫も活動しはじめる頃。

とくに小麦はコクゾウ虫がわきやすいので

製粉して保管する。

製粉といっても

しょせん自家用で今年の残りせいぜい10kg程度なので

小さな製粉機械を使う。これがまたけっこう

時間かかるんです。メッシュでふるうのに時間かかる。

でも自分で製粉する利点は

ふすまが取れることかな。小麦の栄養ってふすまに多い。

ただし米糠も小麦ふすまも食用では無農薬が安心。

2番粉3番粉までは別に取り分けて後はふすま入り小麦粉。

ふすま入り小麦粉でチャパティーやクッキーを作るのです。

Dsc01329 収穫後の調整がひと仕事。

2015年2月22日 (日)

雨の休日

サラリーマン時代には

室内でうろうろすることが多く

天気のことなど爪の先ほども気にしなかった。

台風が来ようが土砂降りの雨だろうが

ビルの中や堅牢な貸家住まいに居て

自分が災害に見舞われなければ動揺もない。

お百姓仕事を始めて

築80年のぼろ家に住み始めて10年。

もう毎日天気を気にしない日はない。

どこかで天候による自然災害が起こると

どうしてそこで起こったのか気になる。

人間って自分の身辺に危機感を覚えれば

他人の被災が我が災難とかぶる。

そうしてみると昔の人は

村社会の同調圧で窮屈だったかもしれないが

遠くの災害にも敏感に他者を思い遣ったことだろう。

Dsc00999 高照寺山のパラグライダー。

2015年2月21日 (土)

あるく

しばらく山を歩かないと

斜面の細道をたどっていくときなど

足と手の動きがばらばらになる。

身体を統率する脳の指示が遅れているような

へたなナンバ歩きになる。

日頃お百姓仕事をする筋力や体の動きと

五感を鋭敏に山を歩く体力は

ちがうのだなと気づく。

知覚を身体の隅々にゆきわたらせ

全身端末の入力を

自在に操作できる。

そんなイメージでしずかに山を歩く。

Dsc00546

2015年2月20日 (金)

トリミング

猪を仕留めて解体して保存する。

と一言にしてしまうと簡単なように聞こえる。

これがなかなかの労力なのだ。

まず獲物の命を落としたときの血抜きが必要。

次にできるだけはやく内臓を出し

腹腔内を冷やす。内臓を取るときも

膀胱や腸をいたずらに傷つけないように

注意深くことにあたる。

獲ったのが夕方の場合はとりあえず内臓だけは取って

流水に浸け屠体を冷やす。

カラスや他の動物に荒らされないように覆いをする。

翌朝皮を剥ぎ部位ごとに分ける。さらに

肉の表面に付着する脂肪の切れ端や小さな血塊

毛やごみなどを丁寧にこそいで除いて

清潔な袋に包む。ここまでで大した時間がかかる。

頂いた命をできるかぎり労わる。

お肉の面をきれいにする手仕事は祈りに似ている。

Dsc01295 トリミングはハナの役目。ありがとう。

2015年2月19日 (木)

妖怪の住む場所

世の中ときどきばかばかしい流行が沸き起こる。

妖怪ブームだと言う。

ヨーカイウォッチヨーカイ体操なんじゃそりゃ。

子どもが惹かれそうな商品と抱き合わせて

歌や踊りを作るのはディズニーやマックでおなじみの

物語商法ではあるが・・。

そもそも魔物もののけ妖怪の類は

ひとけのないひっそりとしめった

うすぐらい物陰にそっとたたずむイキモノ

ではないかと想像する。しかしながら

昨今巷を賑わしている妖怪は

じつに明るいところに堂々と姿を現す。

つい30年前はまだ街中に妖しい暗がりが点在していた。

田舎のジジババんちの便所に深夜用を足すのは

子どもながらにびびりまくっていた。

今は24時間営業チェーン店全盛期。

至るところ電飾ぎらぎら。流通も眠らない。

LEDだったらいいのか電気使いまくり。

ほんものの妖怪が住めるように

健全な夜を取り戻したい。

Dsc01183 ほとんど人もいないホールロビーも煌々とシャンデリラ。