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2014年10月

2014年10月15日 (水)

乾酪

先日うちの農作業をときどき手伝ってくれる女性

に連れられてフランス紳士ムッシュピエールが

我が家を訪れた。

例のごとく宴となる。

ムッシュピエールは毎年うちを訪れるたびに

豪華なお土産を運んでくる。

フランス産ワイン&チーズ。

彼のこだわりワインをなめるように飲みながら

幾種類ものチーズを堪能する。

とろけるような食感。鼻孔をくすぐる臭み。

噛みしめながらそれぞれ特徴のあるチーズたちを

味わわせて頂いた。

すこし早めのサンタクロース。

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2014年10月 8日 (水)

芥子漬

ナスの芥子漬けレシピを

先日叔母から教えてもらった。

お年寄りの作る漬物は手がこんでいる。

まず刻んでアク抜き。一晩水に浸ける。

そのあと1~2時間置いて水を切る。

塩とミョウバンをまぶして一昼夜

重しで漬け込む。

次が肝心。塩水から取り出したナスを

とにかくぎゅうーっとよく絞る。

傍らで漬け汁を作る。

砂糖醤油味醂粉芥子を煮て冷ましておく。

固く絞ったナスを漬け汁に入れて

一日経てば頂きます。

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2014年10月 7日 (火)

糠漬

どうしてもしなければ気がすまない。

という執着でハナが

新しくぬか漬けのぬか床を仕込む。

夏の糠床は酸っぱくなって鶏の餌になったので。

キュウリがまだ穫れるうちに

どうしてもキュウリの糠漬けが恋しいと言う。

でもうちはまだ新米に至ってない。

玄米で貯蔵しておいた米は

コクゾウムシがなかなか多いので

精米機にかけると虫入り糠になってしまう。

そこで去年籾のまま取り置きしておいた米を

籾摺りしてそれを精米して糠を取った。

糠漬けのぬかは無農薬に限る。

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2014年10月 5日 (日)

強制

辞書を調べると

「力ずくで、または権力によってさせること」とある。

戦前日本の従軍慰安婦について

山口県議会の自民党公明党議員たちは

強制を否定している。

元新聞記者むのたけじさんは戦前

インドネシアに取材に行った際に

旧日本軍兵士たちがちんぽこしごきながら

小屋の前で行列を作っているのを見たし

現地の人もその恥ずかしい風景を見ていた。

と言っておられる。並んでいる最中に

既にいきり立たせる理由は

下級兵士1人あたりの持ち時間は限られているからだと。

今であれば公然猥褻罪にあたる

当時の兵士たちも強制的に徴集された臣民でかわいそうだが

相手をする女性たちが

どこまで自発的に受け入れていただろうか。

当の女性たちの声を聞かずに

史実を否定できるのか。

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2014年10月 4日 (土)

問題

為政者が語るこの国の問題は

そもそもこの国の為政者が問題なんじゃないか。

例えば沖縄問題というとき

この国の政は単純に考えて

不平等を戦後以降自民党の面々が

先延ばしにしてきたツケである。

軍事政略的に愚弄されてきた沖縄自体が問題

なわけではない。

原発問題というとき

原発を作らせてそれを私企業に委ねた挙句

爆発させてしまった原因の元をたどれば

やはり自民党のお歴々の成せる技

と言わざるをえない。

従軍慰安婦問題というとき

この国のしらばくれた為政者は

戦中強制的に連行されて慰安させられた

当の女性たちの声を聞かず

ただなかったことにしたい問題がここにある。

問題はいつも

国を動かしていると勘違いしている連中の

頭の中にある

のではないか。

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2014年10月 3日 (金)

青春

昨日の続き。

思い返せばあの頃はととめどない。

つまり何が言いたいかというと

身体の記憶力を鍛えるということ。

東京ドーム4~5枚分くらいの畑で

ひたすらレタスを収穫する。

包丁で茎を切る手の感触。レタスの柔らかさを

損なわないようにダンボールに詰める感覚。

農家の人の動きを見ながら自分がどう動けばいいか

瞬間瞬間判断し労働全体のハーモニーに加わるとき

えも言われぬ恍惚感が降りてくる。

稲刈りも同じ。刈る人。藁を束ねはぜに掛ける人。

はぜを作る人。それぞれが調和した動きを会得するとき

労働は美しくなる。

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2014年10月 2日 (木)

海原

昨日の続き。

今の長野県高原野菜農業の状況は

オレのはたち当時とはずいぶん様変わりしているかもしれない。

季節労働住込みバイトは

三食部屋付きで日給6千~8千くらい。

同じ農家に毎年お世話になると

家内労働の一員と認められて

働きやすくなる。もっとも労働は過酷だが

農家族はバイトよりはるかに働きつめる。

朝4時眠い目をこすりながら

車でだだっぴろい畑に向かう。

途中の景色には宵闇の中あちらこちらで

投光器を照らしながら収穫にいそしむ姿が見える。

どこもかしこも全面マルチビニールが張ってあって

まるで海原でイカ釣り船に乗り込むような

錯覚を覚えた。

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2014年10月 1日 (水)

身体

からだの記憶は忘れない。

はたち頃長野県のレタス農家の住込み季節労働に

通いつめた。バイトは朝4時か5時起き

農家の人は1時か2時からレタスを収穫しており

切り口を上に向けてずらっと並べてある。

レタスは茎を切った直後

白い乳液のような汁が出る。それを洗い流さないと

切り口の乳液が酸化して錆色になる。バイトは

しょっちゅう霧吹きタンクを抱えて

レタスの畝を行ったり来たりそれから箱詰め。

農家によってはレタスの箱詰めを

バイトにさせない。なぜかって

集荷場で検品された時に例えば

標準Lサイズ16個入りの中に規格外とか混じっていたら

注意を受けて場合によっては格下げ見切り品扱いに

なる可能性もあるから。

けっこう気合の入った検品風景だった。

ちなみに市場での葉物野菜はLサイズが基本で

いちばん値がいい。

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