穀雨
五穀にとっては慈雨となる
が、うちの小さな段々畑は今朝からの
激しい雨で土砂が少しずつ
流出して、土地がえぐりとられる。
うちの、正確に言えば父親の土地
なのだが、8年前整備し始めた頃は
あちこちが人の背丈くらいに裂け目ができていて
これはどうしようもないと
ちょっと絶望的になりながらも茨や灌木を伐り払い
続けた。
土地の全貌を確認できるまでに約2年かかり
その合間に廃材を使って鶏小舎を
組み立てていった。いまだに土の流出は続く。
石垣はおそらく江戸時代に築かれたもので
小作人の祖先が労力をいとわず地道に築いたおかげで
今の状態をなんとか保てている。
小さな段々畑を維持するのは、おえらい政治家が
のたまう「涙の出るほど美しい風景」などと
言葉だけのなぐさみでどうにかなるような
かんたんな労働ではない。
オレには江戸時代の農民ほどの根性はないが
できれば守り継ぎたい。
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