段々畑考
ひとマチひとマチ
不規則な地形に逆らわず丁寧に
石垣を積んである。
ときには石作りの暗渠も見られる。
きれいに除草すると遺跡のようにも見える
そんな段々畑が周防大島には多い。
この段々を維持するのはなかなか難しい。
昨今は個人がそれぞれの責任で修復せざるをえないため
お金がかかりますます難しい。
何年か放ったらかすと
まず吸出しといって地下に水がくぐるようになり
その水の通り道から土が流出していく。
いったん土が下へ流れ出すと
遠からず土地の陥没を起こす。
陥没しはじめると壁のような石垣が外側にふくらみ
ある日突然崩れる。
緻密に築かれた石垣の段々も
土地そのものが使われなくなると
ただの山の斜面に還る。
昔の人々は重機などなくても
吸出し現象を素早く見つけて
適切に水を逃がしたり
近隣の結いや講をたのんで
明渠や暗渠を敷設したり
段々畑の排水に汗を流したのだろう。
石垣のある風景は日本人の心をなだめる。
人の歴史と技術を身近に感じることができる。
祖先からの遺産である。
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投稿: 財布 ランキング | 2013年8月14日 (水) 20時25分