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暮らしの中にさりげなく漂っている
こきたなさが好きである。
場末の居酒屋という言葉から想起される
どぎついネオンにだみ声や喧噪。
ひとむかし前の映画館の
スプリングがいかれた椅子の座り心地。
地元に親しまれる銭湯の
剥げ落ちたタイルの痕。
消えかかった電灯に浮かぶ民宿という文字や
建てつけのわるい戸を開けて入る駄菓子屋。
営業してるのかしてないのかわからないような
あやしげな古道具屋古本屋。
何十年も使われた形跡のない納屋に
ぽつんと立てかけてある鍬。
そんなような風景が目にとまると
あぁこの世界にはまだ愛があるなと感じる。
かつてのみかん箱を薪入れに。

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