ごちそう
日常の間隙にひそむ
オレにとってのごちそうとは
いったい何だろう。と考えてみた。
『アメリ』のオドレイ・トトゥではないが・・。
薪ストーブの燠がぱちぱちとはぜる音。
小春日の陽だまりで体をまるめて昼寝。
ごろごろと甘えた猫ののどぼとけの触感。
小汚い酒場で友と熱く語り合う純真さ。
真夏に街を歩く女の子の白い肌のまぶしさ。
農作業で疲れ果てて眠る前のまどろみ。
めったに口に入らない十割そばをすする時ののどごし。
なにげなく曲がった路地で偶然見つけた古本屋。
せいぜいそんなこと。気分の贅沢。
人間ってこんなにささいな空想で
その情景を頭のなかで再現できる。幸せは目の前にある。
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