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2015年2月10日 (火)

わかること

『妻の病 —レビー小体型認知症―』という

ドキュメンタリーを観る。伊勢 真一 演出作品。

弥生さんが口ずさむ「ラ・クンパルシータ」が

いつまでも耳に残った。

人を理解するって難しい。

弥生さんを介護する夫の浩市さんは言う。

「彼女が目の前の物を

どう視覚的に認知して

どういうふうに見えているんだろう。それをわかりたい。」

これは自分の考えだが

人をわかることはできないんじゃないか。

わかった気持ちになることができるだけではないか。

浩市さんに反論しているつもりはない。

ひとをわかるという行為は結局

想像の奥行の問題ではないか。相手のことをわかりたい。

相手と自分の世界観をシンクロさせたいと願う。

どこまでもどこまでもそれを追い求めても

相手が受けとる世界を追尾的に想像することでしか

わかりたいという欠落感は埋まらないのではないか。

しんと冷える夜にそんな余韻が浮かんだ。

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