生身
お百姓しごとは五感が鍛えられる。
外界と直に接触している感覚をこんなに
満喫できる仕事はなかなかない。
贅沢な職業である。
文明の発達は確かに
物質的な豊かさと言えるが、同時に
外界からの刺激が間接的に伝わることに慣れて
感覚は少しずつ鈍麻いや退化していく。
情報はありあまるほどあり、どれでも選べる
のになぜか選択肢は、
情報がもっと限られていた時代と
それほど変わらない、かむしろ少ない
気がする。気のせいかな。
生身の人間と語りたい。生身の感覚を研ぎ澄ましたい。
与えられる言葉ばかりはびこる今の世。
生身で立っていること
生身であるいていること
生身でいまここに存在していること
を喜びたい。
コメント