親にとって
子どもは永遠に子どもである。
しかし近すぎるゆえに子どもの心が
皆目見えていない親もいる。
ふた親と子どもの関係を顧みる意味でも
『箱入り息子の恋』は胸に沁みた。
主人公の見た目冴えない男が
不器用にも恋愛を成就させようともがく姿に
顔中が涙でぐしゃぐしゃになる。
彼はしごく真っ当に生きているだけなのに
親は彼に気遣いながらも右往左往と
彼を世間一般のレールに無理やり
はめこもうと必死である。もっともその親の必死さが
ひとつの縁をつないだのではあるが。
こんなに自意識を鷲掴みされた映画は久しぶりだった。
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