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2015年8月

2015年8月20日 (木)

逃去

今年は春から日本蜜蜂2群定着した。

そう喜んだのもつかの間

一群は真夏の暑さで巣が溶けかけたせいかいなくなる。

もう一群はキイロスズメバチの襲撃に驚いたか

今朝見ると逃げ去った後だった。

たいてい逃げる前に巣門の辺りで

団子状にかたまって

巣門をまもる守衛蜂が神経質そうに

飛び回っていたりなんとなく雰囲気で

やばいそろそろどっかいっちまいそうだなと判断できる。

不思議なのは日本蜜蜂の

逃避行する決断の速さである。せっかく貯めた蜜も子も

置き去りにして住み処を変えてしまう潔さ。

日本固有の蜜蜂その臨機応変さただ者ではない。

007 キンリョウヘンで誘引捕獲した一群。

2015年8月19日 (水)

しめる

死んだら地獄行だな。

それもこの生業を選んだ己が宿命とあきらめている。

お肉になる運命の子らを前夜籠に入れておく。

翌朝彼女たちを順次あの世へ送る。

うちの絞め方は流血しない。

片手で両足持ってもう片方の手で首をつまんでひねる。

下手なひねりで生殺しにするとかわいそうなので

一息にきゅっといく。もう少し正確に言うと

延髄を抜く感じ。抜かれた彼女は

反射的に羽をばたつかせもがく。多分痛みはない。

身体が発する最後の悶絶だろう。

ばたつかせる羽が腕に当たると結構痛い。

たまにお尻から勢いよく糞が噴く。

その糞がズボンを汚す。臭い。

羽は押さえずしばらくばたばたさせておくと

滞りない血抜きができる。

半時間ほど紐で足をくくって吊るす。

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2015年8月18日 (火)

源泉

すべての道はローマに通じる

とは古代の話で今は

すべての道はお百姓に通じる。

人は生きるために

水と食糧が不可欠。

今の時代の日本はローマ帝国最盛期の貴族なみに

飽食国家ではあるが

意外とこの国の足元は脆弱。

広い国土を持つ国々から

おまえんとこにはもう食糧分けてやらんと言われたら

たちまち慌てふためいて国連に泣きつくか

武士は食わねど高楊枝と

北朝鮮みたいに開き直るか。そんな時でも

舌鼓打ちすぎて舌が腫れる特権階級はいる。

とはいえ食糧を軽んずる国はいずれ滅ぶ。

農は実体経済の王道である。

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2015年8月17日 (月)

お祭り

周防大島に住み始めて10年経つが

今まで一度も安下庄の花火を見たことがなかった。

今年縁あって行ってみた。

たぶん最初で最後。

オレ人混み苦手。

ともかく人のにぎわいにびっくり。

これだけ大勢の人々が故郷にゆかりあって

帰ってくる周防大島あなどれない。

友人の宴によばれほろ酔いで

お祭りの通りをよろよろ歩く。

さざなみに咲いて散り舞う花火の粉。

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2015年8月15日 (土)

島のマルシェ

今日は10時頃から

周防大島久賀の生涯学習のむら広場で

イベントとマルシェ。

『みんなの学校』というドキュメンタリー映画上映。

この映画1か月前に横シネで観た。

ふつうの公立小学校のふつうじゃない試み。

異質な者を排除する傾向が

この日本という国には根強くあり

そこに静かな抗いを実践で示す力は尊い。

らい病を患った人たちや

昔の名前で言う精神分裂病を患った人たちが

どう生きてきたか。病院のような体裁の

コロニー的施設に隔離され管理された時代がある。

それも今は終わったとは言いがたく

何かしこりのような歯切れのわるい印象を

残し続けている。

どんな変人もおいで。いっしょにこの町に住もう。

そんな問わず語りなゆるい空気が

この日本という国にはとくに必要である。

2015年8月14日 (金)

床土

うちの鶏舎の床は露地。

あえてコンクリートは張らない。

鶏は土も喰うし砂浴びもする。また土は

夏に熱を吸収し冬は発酵熱でほんのり温かく

調湿作用もある。

土の中にはさまざまな菌類が

時に拮抗し時に補完しあいながら共生している。

鶏の排泄物はその微生物たちにとって恰好のごちそう。

土と外気を遮断した家畜飼育は

それら土にまつわる利点を失う。

家畜の経済性をどこまでも求めていく人間。

人も同じ。

コンクリとアスファルトに囲まれた街の暮らしで

心身を病む人間がどれほど増えているか。

土と緑に触れない現代生活はさしずめ

人間による人間の家畜化そのもの。

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2015年8月13日 (木)

雨沐

昨日は一服の清涼を満たす雨だった。

暑さを言い訳に怠けていた

石垣の草取りをする。

合羽を着ずに

天のシャワーを浴びながら

石垣の隙間から茂ったカヤクズアカザなど

手刈りする。コンテナに詰めこみ

いっぱいになったら

各鶏舎に放りこむ。雨に濡れた葉っぱに

鶏たちはいっせいに駆け寄ってきて

むしゃむしゃついばむ。

そんなくりかえしの労働に妙に高揚感が湧く。

単純なことはたのしい。

Dsc01745 夕暮れに渚にたたずむ海猫の群。

2015年8月12日 (水)

天地返し

うちでは味噌を冬の間に仕込む。

後はたまに混ぜて切返して

翌冬に開いて順次頂きはじめる。

今年の冬の仕込みは

大豆を圧力鍋で煮た。

いつもなら薪ストーブに大鍋かけてふつふつと

2日がかりで煮こむのだが

文明の利器でちょっと手を抜いた。

大豆はゆっくり火を通すと飴色のつやがでる。

圧力鍋使うとものの半時間足らずでやわらかくできるが

煮こみ終えた大豆の色に暖かみが欠ける。

圧力大豆は指でつぶしたときの粘りが若い。

水切れが良すぎて煮こごりも水っぽい。

手間暇かけるというのは案外うまさの秘訣かも。

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2015年8月11日 (火)

夜の梅干し

田んぼ仕事と重なる6月に

梅をもいで塩漬けしておいたのを

ようやく天日にさらす。

ならべた梅を一日毎

一個一個手で転がしながら

うだるような昼下がり

自分の汗の滴が梅に落ちないように

頭をのけぞり気味にしゃがんでいたら

足がつった。

ビロードのような梅の肌淡いピンク

耳たぶをつまむような触感が艶かしい。

夜気にあて柔らかな梅干にする。

たかが梅干ではあるが

身体感覚が研ぎ澄まされる糧である。

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2015年8月10日 (月)

ちょーひさしぶりかな。

いやもう4月から忙しくって

気持ちに余裕なく

文字通り心を亡くしそうだった。

でも忙しくしているのはオレ自身なので

たんにゆっくり暮らしたらいいのだが。

ではその忙しさに見合うほど儲けているかというと

むしろ何もしないほうが

同じ儲からないなら楽かもと憂えるときもある。

まあなんだかんだ言いつつも

おかげさまで好きに暮らさせて頂いているので感謝。

身の丈に合った幸せを享受しております。

001 今月は15日(土)午後より

周防大島久賀の生涯学習むらにて私たちも出店予定。

無農薬の野菜など売ってるよ。よろしく。