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2014年6月

2014年6月 3日 (火)

映画館

20代のとき旅がてら

映画館によく入った。インドでは

20年前当時入場料が2ルピーだったか。

田舎のといってもわりかた人であふれているのだが

館内は煙草のけむりで

スクリーンが紫色に見える気がした。言葉もわからず

ただ観客の喧噪を聞いてたような。半分夢見心地。

特にハンサムでもないおじさんマハラジャと

インド的定型美人女性の歌と踊りを交えた

らぶろまんす?だったような。後に

日本で公開されたラジニカーント・スーパースター

主演の『踊るマハラジャ』だったっけ。違うけど似てる。

自分でスーパースターと臆面もなく名乗るところが

はずかしくもさまになっている。

あのとき映画を観たというよりも

ただただ人の影を観たのだった。

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2014年6月 2日 (月)

映画私論

かなり頻繁に映画館に通う。

うちにはテレビはないので

ドラマやドキュメンタリーはひたすら映画館に足を運ぶ。

なぜテレビではだめなのか。

まず画面が小さい。

DVDレンタルしても番組放送でも

その映画独特の味わいがか弱い。

味覚に旬があるように

映画館という空間が醸す臨場感が必要なのだ。

映画という作品はそれ自体だけで完成しない。

所詮人間のつくりごとの世界なので

映画を包むリアルな人と呼吸によって

つくりごとはまさしくつくりごとらしくなり

作品は切迫して我が身に近づく。

この世のあらゆる芸術作品は一回性という

流れ星のような宿命を負っている。私のなかの

誰も気づかなかったような神経の糸に触れる

なにかがある。その一瞬の触発を受けたいがために

映画館で映画を観る。

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