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2014年6月

2014年6月16日 (月)

田植え

腰いてー。

田植え機の調子がいまいちで

朝から整備に時間がかかる。

機械に頼ると機械と付き合う時間がやたらと多い。

結局知り合いの元整備士さんに来ていただいて

さっさと直してもらった。でもその後も

また別のトラブルが発生し立ち止まる。

機械ばかりに頼れないので

人海戦術で手植えもする。

ねこの手も借りたいくらいだが

人間が黙々と働くしかない。手植えというのは

機械に比べて優雅な遊びのようだが

なかなか過酷な労働である。

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2014年6月15日 (日)

梅もぎ

梅の実黄ばむ頃合いとなった。

5畝ばかりの梅林をお借りしているので

梅干しにするために収穫する。

田んぼ仕事の後日が暮れてからの作業。

去年は手が回らなくて収穫も剪定もできず

伸び放題になった徒長枝が行くてを阻む。

ほったらかしにしてはわりと出来がいい。

小1時間ほどで40kgくらいもいだ。

でも1年間世話をさぼっていたので

収穫するのがうしろめたい。

梅の木々たちへ

いいとこどりでごめんなさい。

自然の恵みに感謝。

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2014年6月14日 (土)

代掻き

いつも疑問なのだが

田んぼの中のミミズは

いったいどこからやってくるんだろう。

そんなこともわからない。

代掻きすると泥にもまれたミミズが

白く膨れて浮かび上がってくる。

田には毎年4か月は水を張るので

その間にはミミズはいないはず。

あーそっか

畦や田の回りからやってくるのかもしれない。

それにしてもミミズはけっこう行動力ある。

 

2014年6月13日 (金)

畦塗

またこの季節が巡ってきた。

昨日は水取り口の掃除やら補修やら

ほとんど土方仕事にいそしみ

今日は今年初めての田んぼ水入れ。

川の清流から引きこまれた水が

支障なく田んぼにそそがれるのを見てほっとする。

田のぐるりに水を回しながら

畔ぬりをする。足で練った泥を

鍬ですくって田の縁に押しつけるようになすりつける。

そんな繰り返し作業である。時々モグラの

本道に出会い川砂利を拾って穴をつぶす。

山の田んぼはコンクリの縁石など築いていないので

どんな小さなマチも一人前の畦ぬりが必要となる。

これをよろこびと取るか苦役と取るか。

からだを使って働けるのは幸せな証拠である。

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2014年6月11日 (水)

精神

そういうタイトルのドキュメンタリーを

マニアな横シネで観た。もう5年くらい前かな。

お百姓始める以前

精神病院に勤めていたので見逃せなかった。

監督は相田和弘さん。

精神科を受診する患者さんの素顔を

モザイク無しで映し続ける。BGM無し。

生の日常がカメラによって切り取られる。

監督の目を通した

人の表情や景色が特別な主張もなく流れる。

この作品の後

横シネオールナイトで朴保のコンサートと

初めて出会った。

Dsc03799 最近、相田監督と直にお会いできた。

※掲載許可もらっています。

2014年6月 9日 (月)

フィルマラ

こんなに感銘を受けた

『箱入り息子の恋』ではあるが

これも状況設定のなせる技と言えなくもない。

なぜって

サロンシネマのフィルムマラソンで観たから。

それも眠気を通りこした明け方

それまでに積み重ねるように注入された映像が

澱のように無意識の底に溜まって

すぐに消化もできず発酵した胃液が

喉元にせりあがってくるように

感情の堰がどっと破れたのかもしれない。

その頃の自分の気分や環境も

その決壊を後押ししたのかもしれない。

ある映画を観るために用意されていたかのように

心が反応する。

星のめぐりあわせが予定調和して

脳神経の一部を揺さぶる。人間は

人間自身がつくった物語によって

道に迷うこともあれば

一光の希望をみいだすこともある。

Dsc00463朝焼けの空に鳳凰の姿か。

2014年6月 8日 (日)

両親

親にとって

子どもは永遠に子どもである。

しかし近すぎるゆえに子どもの心が

皆目見えていない親もいる。

ふた親と子どもの関係を顧みる意味でも

『箱入り息子の恋』は胸に沁みた。

主人公の見た目冴えない男が

不器用にも恋愛を成就させようともがく姿に

顔中が涙でぐしゃぐしゃになる。

彼はしごく真っ当に生きているだけなのに

親は彼に気遣いながらも右往左往と

彼を世間一般のレールに無理やり

はめこもうと必死である。もっともその親の必死さが

ひとつの縁をつないだのではあるが。

こんなに自意識を鷲掴みされた映画は久しぶりだった。

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2014年6月 6日 (金)

道山

最後に韓国を旅したときも

映画館に入った。釜山大学近くの

日本でいうシネコンみたいな映画館。

驚いたのは人の多さ。

一つの館内すべて客席が埋まっている。

特にアベック(古い表現?)が多い。

ざわめきとポップコーンの

甘い匂いの中でやはりソル・ギョング主演の

『力道山』を観た。日本語とハングルが混じっているので

ハングルだけよりもはるかに理解しやすかった。

ソル・ギョングの肉体が引き締まりすぎてて

オレのイメージする力道山といまいち重ならない。

映画は映画である。その後

『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(増田俊也著)

を読んだ。こっちのほうが実像を描いている。

日本に来てさんざんいじめられたんだろう。

勝利に対する執着心が半端ではなかったはずである。

 

2014年6月 5日 (木)

追憶

『ペパーミントキャンディー』を観た後

またしょうこりもなく韓国に出かけた。

釜山の民主公園にただ行ってみたかった。

公園内には抗争記念館という展示室もあって

これがなかなかおもしろいのである。それ以降

釜山を訪れるたびに通った。

民主化運動の歴史資料館みたいな存在。

公園ではお年寄りが集まって将棋を差していたり

親子で遊ぶ声が響いたり

見晴らしがよくてぼんやり昼寝でもしたいような場。

ソル・ギョングがここに結びつくとは

意外にも頼もしい運命だった。

Dsc04563 『ソウォン~願い』という作品が広島平和映画祭のおりに
公開されたときのインタビュー。左は監督。右がソル・ギョング

 

2014年6月 4日 (水)

俳優

もう10何年か前

韓国によく出かけた。そのとき

なんどか泊めてくれた浩徹という韓国の友人がいて

映画の話になった。当時ソル・ギョングという俳優

を『オアシス』で知って

なんかすごくストイックでクールな役者だと誉めたら

浩徹が『ペパーミントキャンディー』を勧めた。

その後しばらくして広島の映像文化ライブラリーだったか

韓国映画特集があって

運好くその映画を映画館で観る機会を得た。

1980年に起きた光州事件が素材。

韓国では民主化運動の流れを大きく変えた日にちから

518と呼ぶ。ある男の記憶の襞の後悔というか情念が溢れ出て

彼を強引に過去へ押し戻す熱い作品だった。

Dsc05128