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2015年9月

2015年9月20日 (日)

竹細工職人

稲垣尚友さんの

講演会?に出かけた。講演というより漫談的雰囲気で

聴講する人たちがいつでも話の腰を折って

質問してもいい。

稲垣さんは知る人ぞ知る職人兼民俗研究家でも

いらっしゃる。この方がまとっている空気が柔らかい。

毎年今時期周防大島を訪れ

竹籠作り教室も開かれる。

今回の話の主題は廣島一夫さん。

2年前に98歳で亡くなられた。

この方の作る竹細工の美しさに

尚友さんは自分が恥ずかしくなったと言う。

プラスチック全盛期の世の中

自分にも問われているものがある。

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2015年9月19日 (土)

いのしし罠猟

今季初めてわな猟。

うちの田んぼに出入りするシシ道を

ずっとたどって山の中に仕掛ける。

通い道はわかりやすい。

彼らが体で印を残してくれている。

シダや樹木の皮に泥がついている。

ハケで撫でたような泥絵具。

たまに足跡もある。落ち葉の踏まれ方で

田んぼに下りる道なのか

山に帰る道なのか

足跡の大きさからなんとなくだが

通ったイノシシの大きさや頭数を推測する。

山に入ると通い道がそこかしこ見受けられ

通う頻度を想定し仕掛けやすいポイントを選ぶ。

山を歩き回っているといつのまにか日が暮れる。

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2015年9月18日 (金)

山本太郎(生活)による鴻池委員長の不信任動議の賛成討論

相方はなにこのタイトルの

ユーチューブを見せられた。

普段はまったくといっていいほど

ユーチューブなんて見ないのだが

これは一見の価値あり。

山本議員の堂々とした演説に

心のなかで拍手を送る。

話し方にユーモアあり

聴衆の胸を打つ毅然とした声といい

さすが元役者だった。

彼のような政治家がもっと増えてほしいと

願うばかりである。

https://m.youtube.com/watch?v=XAUx9FSaymk

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2015年9月17日 (木)

自刈り

近頃の散髪屋のなかには理髪料が

ものすごく安いところがある。

散髪屋もマッサージ屋もコンビニチェーン化している。

インスタントなコンビニ化が

街並を均質にする。まあそれも

資本主義の成れの果て。日本はなんでもコンビニ。

こういう時代にはなにごともできるだけ自力で

挑戦しようという気心がますます必要になる。

ちなみにここ20年以上散髪は自分でする。

道具は電気バリカン櫛すき鋏鏡それと

ふつうの文房具鋏。

冬は寒く夏は蚊にくわれるが

パンツ一丁になってものの10分あれば

すっきりする。スタイルはその日の気分しだい。

憂鬱な気分や陽気な気分が

髪形に反映する。なんといっても電気バリカンすぐれもの。

へんてこりんになっても

1週間経てば目立たない。そう割り切って潔く刈り進める。

Dsc01812 この鋏たちは私の思春期時代から活躍してくれている。

2015年9月16日 (水)

田畑の価値

巷からの声がラジオやテレビでとりあげられる。

天候不順で台風や猛暑や長雨のせいで

スーパーの野菜値段が高くって

家計にひびくわとかなんとか。

これは個人的な意見なのだが

日本国内で普通に売られている

野菜の値段が多少上下するからって

目ん玉飛び出るほど高いかな。

自分から見ると高値の時でも

それほどたいした値段じゃない。

野菜が高いってなにげなく発する消費者自身が

自分で育ててみたらどうでしょう?と尋ねたい。

自分で育てたほうが確実に安全で健康的で

生産者の気持ちも理解できる。たかだか100年前

日本人の過半数はなんらかのかたちで

農に従事していた。だから嫌っていうほど

食べものの価値を想像できてたにちがいない。

Dsc01411 見つめ合う犬と豚。

2015年9月15日 (火)

重宝

あまたある野菜のなかで

もっとも家庭の人気を博している筆頭に

キュウリとトマトが挙がるらしい。

とある野菜売りの社長さんが言ってた。

とにかくこの二品目はよく売れるらしい。

たしかに知名度は群を抜く。

ものごころついた幼児でもわかる。

でもよく売れると言っても

旬には大量に出回り価格破壊気味で

生産者としては

薄利多売で忙しいのに実入りが伴わない

という無間地獄のような心地がする。

旬を外し出荷するのはいいが

この野菜ばかり集中して取り組むようになる。

それよりもいろんな野菜と出会いたい。

うちではもっぱら自家用に

旬を外れたキュウリをむふふっと頂く。

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2015年9月14日 (月)

『アラヤシキの住人たち』

本橋成一さんの描くドキュメンタリーは

ほんとに人に優しい。

この優しい視点はなんなのだろうと

いつも気になり期待してしまう。

北アルプスの山中で暮らす人たち。

人の営みって深くかつ単純だった。

みんなが暮らす古民家の威容が

おとぎ話のように風景になじんでいる。

雨で道が崩れたらみんなで修復し

雪が厚く積もればみんなで屋根に登って雪を搔く。

鶏の鳴き声に目覚め

ヤギの乳を搾り

手で苗を植える。

日常のひとこまひとこまをゆっくり味わう。

そんなたゆたう暮らしに近づきたい。

この映画を観る人はそう感じずにいられないだろう。

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2015年9月13日 (日)

記録

うちのお百姓仕事というのは

毎年毎日同じ動きというものがない。

マニュアルは作れない。でもだいたいの

時季的な目安というものはある。

鶏のヒナを育てる時季蜜蜂が分封する時季

あれこれ穀物野菜の種蒔き時季など。

マニュアルはなくても作業後記録は欠かせない。

記録をつけるからといって収穫量が劇的に増えたり

収入が増えたりするわけではないが

手順や段取りの組み方をからだが覚える。

お百姓仕事の中でも分野の異なる作業を同時並行で進めたい。

そのためのカレンダーが考えないでも頭に浮かぶ。

こんなこと記録する必要あるのかと通り過ぎようとするとき

微かにでも気になるなら記録しておく。

その微かな気がかりがダイヤモンドの原石かもしれない。

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2015年9月12日 (土)

炭火焼宴

夏も終わりお疲れさま宴会。

うちの庭で

びんぼう百姓仲間たち集う。

バーベキューというカタカナ語よりも

炭火焼肉&野菜といったほうがふさわしい。

購入した食べものほとんどなし。炭も山の薪。

よって会費もない。持ち寄り野菜と

冷凍庫在庫整理のためシシ肉山盛り。

炭火焼の愉しみは

準備をしつつビールをくーっと飲むこと。

炎が肴になる。

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2015年9月11日 (金)

稲穂

早苗が植わった頃。

穂が出てこれから登熟しはじめる頃。

黄金色に穂が実る頃。

田んぼの彩は見ていてあきることがない。

今年も油断していたら

イノシシになぎ倒されたり

大雨が心配で何度も川に下りて

出水口の栓をしに行ったり

わずらわされたが

ようやく穂が実るところまでたどりついた。

これは米とともに田んぼを歩く旅である。

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