2015年1月16日 (金)

世界一周

昨晩キムラ夫妻と飲んだ。

以前うちにWWOOFerで来たコーヘイ君からの紹介で

彼らはなぜか周防大島に一晩逗留した。

キムラ夫妻は

ここ1年半もの間ひたすら自転車で

世界を旅して回って先日ようやく日本に帰国と

相成ったらしい。

自転車というところがたくましすぎる。

長いこと旅してきたので

今は早く働きたい気分だという。

彼らの未来を祝して乾杯。

http://www.ninin-yonrin.com

Dsc02782 世界の道がこんなきれいな道路ばかりだったらスリルない。

2015年1月15日 (木)

精米

麹作りのために小米を使うと言ったが

そのくず米を精米する時に

ちょっとしたこつがある。

といってもたいしたこつではない。

まず循環式精米機だと

小米がきれいな白米になりにくい。

いわゆるくず米の中には

米の欠片やもみ殻の破片

籾を被ったままの米や青米

雑草の種や繊維など混じっており

循環式だとその夾雑物が糠箱のほうに落ちにくい。

何段階かの圧力で回してみたが

なかなか白米だけにならない。

ある時実家にほったらかしにされていた

小型の家庭用精米器を母が壊れてるから要らないと言うので

直して小米の精米に使ってみたら

お見事。じつにきれいに白米になるではないか。

難点が5合しか入らないことだが

いちいち手でごみを取ることに比べればはるかに楽。

イヌビエやクサネムの種は白米の中から手で除く。

Dsc01113 日本の技術はすばらしい。

2015年1月14日 (水)

何者でもない

かつてオレは何者かになろうとしていた。

でも最近になってようやく気付いた。

何者かになるのではなくて

何者でもない自分になろうと

そう決めたとき肩の力が抜けた。

何者かになる必要はなかった。

自分が何者か探し続ける必要もなかった。

自分は自分で

既に自分以外になりようがない。

仕事や生計も同じスタンスで考えてみた。

鶏を飼って豚を飼って蜜蜂飼って

田畑を育てて商品を売って

山でイノシシ獲って

海を眺め山を歩き時に人と出会う。

これからも何者でもない自分を発掘していきたい。

Dsc00643

2015年1月13日 (火)

洗米

最近は無洗米などという商品も出回り

都会では米の研ぎ方も知らない日本人が増えつつある

のではないかと想像する。

合理的なことがすべていいかどうか。

日々頂く米を手で触れてその実質を感じる

というあたりまえの所作をすっとばして生きる

のもぜんぜんけっこうである。

ただ妙にケツがこそばゆい。

自分が生きている根元を無視してる気がする。

意識して無視するのならまだましで

無意識に無視し続けて

そういう所作がなかったことになってしまう

日本がはたして美しいのだろうか。

米を研ぐという言葉を守りたい。

Dsc01112 今回は田布施の大下さん方の無農薬小米で麹作り。

2015年1月12日 (月)

畑の肉

そう呼ばれると妙に納得する大豆。

次の味噌の仕込みのために選別する。

ハードな作業をした後の休憩も兼ねて

大豆を選り

冬の夜長にストーブに当たりつつ

大豆を選り

ビニールハウスの温室の中でくつろぎながら

大豆を選り

暇さえあれば大豆をいじっている。

なんのへんてつもない大豆選りだが

いったん始めるとつい夢中になる。

乾いた豆のすべるような感触が心地よい。

この大豆が種として生きているというのが

不思議であり愛おしくもある。

選った後のくず大豆は炊いて豚の餌。

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2015年1月11日 (日)

味噌仕込み

今年初めてのみそ作り。

うちの仕込みは超シンプル。

前日から一昼夜水に浸けておいた大豆を煮る。

水は山の湧水。

大豆は去年うちで穫れたもの。去年は豊作だった。

煮立てて耳たぶほどに柔らかくなった大豆を

すりこぎでつぶす。

すりこぎはみかんの木で自分で作った。

擂粉木棒はたいてい山椒の木で作ってあるが

山椒もミカン科なので遜色ない。

なめらかになった大豆に塩切りした麹を加える。

塩もいずれ自給したいが今のところシママース。

麹は例のごとくうちの小米。

大豆と麹を両手で練って掻き合わせて揉む。

甕の底にソフトボール大の味噌玉をぶつけ空気を抜く。

投げ終えたら表面を平らにして落し蓋と重石。

年に3~4回切返して年末まで寝かせる。

こんな簡単な仕事で申し分ない味噌に仕上がる。

百姓の殿様味噌と呼びたい。

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2015年1月10日 (土)

蒸し

麹を作る前の下準備。

うちでは麹用に小米しか使わない。いわゆるくず米。

なぜって?単純にそれで十分だから。

別にプロの技を披露するわけではない。

日々のお百姓仕事の合間を縫ってする

ぜいたく仕事なので小米で上等。

ただしどうしても菌のはぜまわりにムラはでる。

蒸米の上がり方も均一にはならない。

そこは目をつぶって

素材の旨味を引き出すという面に焦点を絞る。

おざなりにされそうなくず品を新たな角度からよみがえらせる。

それは私たち百姓の使命のひとつ。

Dsc05000 年代物の蒸し器。じつは近所の優しいおばあさんに借りて

返していない。すみません。

2015年1月 9日 (金)

格闘

というほど意識した闘いではないのだが

雄猪を仕留める。

運悪く足くくりわなに掛かったイノシシは

ワイヤーの届く範囲で暴れまわり

回りの土を掘りあげて土塁を築く。

人間が近づくと牙や歯をカチカチ鳴らして脅したり

鼻づらで土を飛ばし相手の視界を遮る戦法をとる。

仕留める側の人間のほうは

くくられているワイヤーの損傷具合を確認し

できれば彼を見下ろせる立ち位置を探したい。

彼は散発的に突進を繰り返す。その瞬間に

ワイヤーが切れて体当たりされたり

鋭い牙で噛みつかれるのは怖いので

人間も必死になって棍棒を彼の眉間に振り下ろす。

山の木立の中で安定した足場を確保するのが難しい。

ときに転げまわりながら棍棒でどつく。

彼の動きが止まり体を横たえる。口に棒を噛ませておいて

ナイフで頸動脈を刺す。血がどくどく噴く。合掌。

Dsc00751 60kg雄猪。

2015年1月 8日 (木)

解す

麹を育てていて

ふっとよぎることがある。

手で米を揉み塊りをほぐすという行為に

人の生きざまが現れているんじゃないかと。

蒸米を一粒一粒ほぐし

麹菌をまんべんなく種付けする。

菌が繁殖しはじめた米をほぐし

固まらないように気を配る。

生き物は身心の緊張と緩和をくりかえしながら生きている。

月の満ち欠けのように

寄せては引く波や潮目のように

凝りを解し時を待つ一連の呼吸のように

肩ひじ張らずに暮らしたいな。

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2015年1月 7日 (水)

七草

Dsc01090

新暦の7日が七草粥の日だというのが

いまいち腑に落ちないが

朝ごはんはお粥。

セリナズナゴギョウハコベラホトケノザスズナスズシロ

と唱えながら

毎年春の七草を探しに

うちの田畑の回りを歩くが

セリとゴギョウとホトケノザは見つからない。

代わりに畑のよもぎと春菊とほうれん草をつまんで

これにスイバを足して八草とした。

他にさつま芋も入れて頂きます。

お粥には梅干必須。糠漬けの紅芯大根も添えて。

旧暦の正月七日も覚えておきたい。

Dsc01091