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2013年4月

2013年4月30日 (火)

味覚

脳神経というのは

ぜんぶで12本あるのだが

そのうちの3本を味覚や舌が占めているらしい。

口や歯の知覚、咀嚼運動にかかわる三叉神経まで

含めると4本も。

口から食べ物を入れて

咀嚼し味わうという無意識な行為に

脳みそは確実に反応しているんだなと

感心する。日ごろからなにげなくしている行為

を意識にのぼらせるのも五感を鍛える方法である。

むかし、うちのおふくろから

怒ったり、いらいらしながらものを食べると

それは毒に変わるとおどかされたものだ。

なごやかな気持ちでおいしくいただく食卓

というものの価値を考えたとき

母親のそのおどしもまんざらではないかも。

2013年4月29日 (月)

生身

お百姓しごとは五感が鍛えられる。

外界と直に接触している感覚をこんなに

満喫できる仕事はなかなかない。

贅沢な職業である。

文明の発達は確かに

物質的な豊かさと言えるが、同時に

外界からの刺激が間接的に伝わることに慣れて

感覚は少しずつ鈍麻いや退化していく。

情報はありあまるほどあり、どれでも選べる

のになぜか選択肢は、

情報がもっと限られていた時代と

それほど変わらない、かむしろ少ない

気がする。気のせいかな。

生身の人間と語りたい。生身の感覚を研ぎ澄ましたい。

与えられる言葉ばかりはびこる今の世。

生身で立っていること

生身であるいていること

生身でいまここに存在していること

を喜びたい。

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2013年4月28日 (日)

愛着

8年前、うちのお山を開墾し始めたときから

ずっとお世話になっていた

山本5馬力エンジンカッター(木や草を粉々にする機械)

のエンジンがとうとう壊れてしまった。

もともと中古で買った当初から

エンジンのかかりが良くなくて難儀を

していたしろものなのだが、いざ壊れてみると

寂しい、もったいない、なんとかカッター部分だけでも

生かせないかと名残惜しく模索していた。

で、結局ポンプ部分が壊れたエンジンポンプ

のエンジンだけ取り外して

カッター部分と合体させようという結論に至った。

ここからまた紆余曲折。エンジンと男の

友情の物語であった。また次回ね。

っていうか愛着というより執着か。

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壊れたエンジン御苦労様。

よく働いてくれてありがとう。記念撮影。

2013年4月27日 (土)

成長

日本経済が成長しなければならない

という強迫観念はどこから湧くのか。

景気がいいわるいとか

たびたび取りざたされるが

オレは景気というものがよかったという

実感を味わったことがない。

20代の頃さば缶ならしばしば味わった。

せいぜいその程度の景気なのだ。

成長した先にはなにがあるのか。

テレビはチャンネル数がしこたま増え、

四六時中休む間もないオンエア状態。

ケータイは進化し人はいたるところで

ひとりごとをつぶやくか画面に祈りをささげる。

車や電化製品はばかばか

売れて、人はサプリメントを飲めば栄養

満たされる。スーパーやホームセンターに商品

あふれ何十台ものレジがパンクするほど

客が殺到する。労働者諸君はボーナスたっぷり

使いきれずいくつもの銀行に預金振り分ける。

いや想像も及ばぬほどまだまだどんどん成長していく

のであろう。

んなわけねー。誰のための成長なんだい?

成長とはほんとうは、成熟という言葉とともに

語られるべきもの。今のニュースを聞いていると

成長のための成長をひたすら突っ走る

まるでマッチョのスプリンターが

ゴールも見ずに爆走したがっているようだ。

アベノドーピングミックスジュース乾杯。

2013年4月26日 (金)

スナップエンドウ

うちでは毎年かならず育てる。

夏野菜のときにオクラやモロヘイヤを作った

畝を利用する。かさかさになって枯れた

オクラやモロヘイヤの茎がえんどう豆の

ちょうどいい支柱になる。

種を蒔くのは10月中旬ころ。

枯れ茎の根元に2~3粒ずつ埋めこむだけ。

この方法だといちいち支柱を立てる手間が

ないし、耕す必要もないし

枯れても根が張っているので倒れにくい。

木嶋 利夫さんが書かれている本を参考にした。

種を蒔きっぱなしで、草も刈らず

肥料もしないでもどんどんはびこって

ちゃんと実をつけてくれる。

生えるに任せているので

畝がスナップエンドウのつるで燃えているようになる。

こんなに簡単に甘い豆を頂けてありがたい

野菜のひとつであった。

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2013年4月25日 (木)

ねぎの花

蜜蜂たちがあちこちで活躍する。

今時期うちの畑では、

高菜とねぎとクリムゾンクローバーの花が咲きほこる

が、特になぜかねぎの花が好きらしい。

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種採り用のねぎは別のところに

植え替えたので、刈り払おうとしたが

西洋蜜蜂も日本蜜蜂もねぎの花に

けっこう集まっていた。

せっかくの饗宴をじゃましたらわるいので

しばらくそのままにしておく。

ねぎ蜜ってあるのかな。

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2013年4月24日 (水)

穀雨

五穀にとっては慈雨となる

が、うちの小さな段々畑は今朝からの

激しい雨で土砂が少しずつ

流出して、土地がえぐりとられる。

うちの、正確に言えば父親の土地

なのだが、8年前整備し始めた頃は

あちこちが人の背丈くらいに裂け目ができていて

これはどうしようもないと

ちょっと絶望的になりながらも茨や灌木を伐り払い

続けた。

土地の全貌を確認できるまでに約2年かかり

その合間に廃材を使って鶏小舎を

組み立てていった。いまだに土の流出は続く。

石垣はおそらく江戸時代に築かれたもので

小作人の祖先が労力をいとわず地道に築いたおかげで

今の状態をなんとか保てている。

小さな段々畑を維持するのは、おえらい政治家が

のたまう「涙の出るほど美しい風景」などと

言葉だけのなぐさみでどうにかなるような

かんたんな労働ではない。

オレには江戸時代の農民ほどの根性はないが

できれば守り継ぎたい。

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2013年4月23日 (火)

ポチ

なん年か前、『ポチの告白』という映画

を横川シネマで観た。この映画の原案を提供した

寺澤有さんも舞台あいさつに来られていて

映画が終わった後、出口ロビーで寺澤さんを

お見かけしたので、率直に訊いてみた。

「警察組織のスキャンダルや暴露話

を細かく取材されていて、怖い目に会ったりしませんか?」

と。有澤さん曰く、

「別にこれといったことはないような気がするけど

自分が知らないだけかもしれない」と、

そんなお答えだったと記憶している。

いい度胸してらっしゃる。器がひろい。

権力というものをこういう方が監視していたら

一市民として心強い。

しかし、権力者というのはポチと切っても切れない

関係にあるようだ。

現アメリカ大統領も誰かのポチみたいだし

現総理はアメリカのポチみたいだし

現山口県知事は現総理のポチみたいだし

忠犬ハチ公とも言えるかもしれないが、まあポチだ。

権力構造の中でポチはめぐる。

考えてみると、オレはもしかしてはなのポチ?

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2013年4月22日 (月)

ちりもつもれば

先日、たまりにたまったビール瓶を

がしゃがしゃと近所の酒屋に持ち込む。

なぜそんなにためたかっていうと

自家製ビールを作ろうとして打栓機まで用意してたのだが

結局何年も埃をかぶることになったビール瓶たち

であった。ビール空瓶は1本10円で引き取ってもらい

ちょっとしたお小遣いになった。

今日は今日で段ボール、古新聞を持って行った。

古紙を引き取ってくれてさらに行きがけのお駄賃まで

もらえてしまう。うちでは近所の方々が

野菜くずなど段ボールに入れて

置いといてくれるので

なにしろよくたまる。1カ月に1度くらいは

なにかのついでにその会社へ古紙を持ち込む。

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古紙にも相場があるらしく日によって

kg当たりの単価が変わるようだが

ガソリン代2~3L分浮く勘定になり

ありがたい。

2013年4月21日 (日)

ミギー

岩明 均さんという漫画家の作品で

『寄生獣』という漫画がある。

主人公ケンイチの右手に寄生した

奇妙な生き物との交流を描いた

なかなかグロテスクで、でもすっきりとした筋立ての

興味深い内容である。

右手に寄生したミギーという生物は

最終章でなぜか眠りに就く。

ここらへんクライマックスの展開がうまく描けてる。

コミックとして刊行されたばかりの頃

新聞の書評で見て、さっそく読んだのはもう

15、6年前になるだろうか。

今読んでも昨今の環境問題といい無差別殺人といい

いくつかのテーマを内蔵している。

オレもいつか、死ぬのとは違う意味で

眠りに就いてみたいものだ。