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2014年7月

2014年7月18日 (金)

枝豆

夏になると食いたくなる。

むしょうにと言っていいほど。

早取り大豆というだけの野菜なのだが

この魅力はどこにあるのだろう。

鞘を指で押し弾いて口の中に

豆粒をぽくぽく放りこむ反復動作が

やみつきになる。とまらなくなる。

固めに茹であげてほんのり塩味で頂く。

豆のうまみと肉質感が渾然となって唾液を促す。

枝豆食ってるときって

平和以外なにものでもないという

満たされた感覚が湧く。なんだか

幼い頃の指しゃぶりに似てるというか

口唇期に戻ったような安堵感。

大豆や枝豆の自給率を100%にしたい。

Dsc00417 道の駅に出荷した売れ残りを持って帰った。

うちの無肥料無農薬枝豆。

明日(昼頃)も出荷するのでぜひご賞味を。

2014年7月17日 (木)

孵化

母性が活きているというのか

野生に近いというのかともかく烏骨鶏の辛抱強さ

は何度観察しても嘆息してしまう。

ヒナを育てるときの細やかさも

ヒナを守ろうとする姿も

生き物の基はここにあり。

人間にあまりなつかず

逃げ回っている様子ばかり目立つが

21日間飲まず食わずで卵を孵した母鶏は

小さい体に似合わず毅然としていて頼もしい。

翻って人間の営みは無駄に複雑そうに見える。

でも玉ねぎの皮を剥ぐように

その利己的な複雑さと薄っぺらい知識や虚飾を

一枚一枚剥いでいくと

さいごに残るのは烏骨鶏母が示すような

母性のみではないか。

Dsc00288 5月下旬に孵った烏骨鶏雛と普通の鶏の雛。

今回抱かせた名古屋コーチンの卵は上手く孵らなかった。

 

2014年7月16日 (水)

抱卵

ご存知の方も多いだろうが

烏骨鶏という鶏がいる。骨が

カラスのように黒いのでそんな名前なのか。

うちでも7羽ほど飼っているが

卵はあまり産んでくれない。

春先から1か月くらいぼちぼち産んでくれて

夏はほとんど遊んでるっきり。

秋に少し涼しくなって再びぽちぽちと産む。

そんな彼らだが

普通の鶏にはなかなか真似できない特技がある。

一般の産卵鶏は就巣本能が乏しいのだが

(鶏種選抜で就巣癖を除いていく)

烏骨鶏は抱卵して温めた卵を確実に

孵してくれる。

Dsc00237

2014年7月14日 (月)

蔓紫

れっきとした野菜である

と言いたいところだが

野草みたいな野菜である

と言い換えたい。いったん繁茂すると

手のようなツルを四方八方に伸ばして

からみ巻きつき這い登る。好奇心旺盛。

スベリヒユという名前の多肉系野草がおり

なんとなくあれに近いが

蔓紫はツルムラサキ科で滑莧はスベリヒユ科で別物。

柔らかい茎を指でポキンと折って収穫する。

すっげーうまいと人から賞賛されることがあるのかどうか

あくの強い粘さとサボテンのような青臭さ

が気にならなければお浸しで

うちでは炒め物にして粘りと生臭味を鎮静する。

Dsc00341 燃えるようなエロスを感じる・・のはオレだけ?

2014年7月13日 (日)

適期

うちでは夏の葉物は

育てやすい野菜しか育てない

と決めている。キャベツなんかもってのほか。

暑い時季にアブラナ科など甘い葉野菜を育てると

忙しさをさらに倍加させて

自分で自分の首を絞めることになる。

薬など使わずに育てるなら

適地適作と己の持ち時間を徹底して勘案すべき。

というのが持論である。その点

ツルムラサキエンツァイモロヘイヤ日陰のチマサンチュ

エゴマシソオカノリオカヒジキなど畑にあれば

キャベツは要らない。それも夏のこれらの葉野菜は

暑さで火照ったからだを鎮めてくれる医食でもある。

Dsc00145

2014年7月10日 (木)

香菜

Dsc00346

セリ科のハーブ。

コリアンダーともパクチーとも呼ばれる。

東南アジアではこれ抜きに調理ができないほどの常備野菜。

うちでも毎年育てるが

んー臭い。ずばりカメムシ臭い。

指でこの葉っぱをもんだり爪でちぎったりでもしたら

半日は匂いが鼻につく。

おそらくパクチーの祖先はカメムシの匂いに魅せられて

おーそうだこいつのこの技を身に付ければ

虫たちから身を守れると確信したにちがいない。

異臭を擬態するとは

植物にも知能があるのではないか。

Dsc00354 パクチーサラダとアボガドパクチーディップ。

2014年7月 9日 (水)

台風

春の嵐と台風にめっぽう不安なうちの家。

移住して10年くらいになるが

まだ猛烈台風をこの家で経験していないのは

行幸である。住み始めて10年以内には

自分の家を自分で建てようと

燃えていたがいつのまにか10年経ってしまった。

大風が吹くと古瓦のあちこちが浮いたりすいたり

そこから雨が侵入してきて

ところどころ雨漏り常習箇所ができる。

特にひどい部分は

大工トリーさんに補修してもらった。

嵐になるとどこにも行けない。なぜかって

帰ったとき家の惨状を見るのが怖いから。

Dsc04129 これだけ雨が続くとすっきり晴れた空が恋しい。

 

 

2014年7月 8日 (火)

犠牲

2001年1月26日山手線新大久保駅での

乗客転落事故のほんの何日か前実は

自分もあのプラットホームで

列車を待っていた。あの時百人町にある

登山用品店で登山靴を買ったんだよね。

なんでその店に行ったのかもう忘れてしまった。

山口に帰って有給休み明け職場に戻って

勤務先のテレビを見てたら

この事件のニュースがあった。そのとき

反射的に頭に浮かんだのは

もしオレがああいう状況のあの場面にいたら

何ができただろうか?

という漠とした疑問だった。

ホームに設置されているという警報ブザーを押せばいいとか

近づいてくる列車になにかしら合図をするとか

即座に駅員に伝えるとか

後から言い訳するのは簡単で実際に

あの場面に立ったらおそらくオレは

ただの傍観者にしかなれないんじゃないかと

あれこれ想像していたら身震いが出た。ほんとに

自分はつまらん人間だなという自戒も込めた身震い。

Dsc04528

2014年7月 7日 (月)

七夕

といっても七夕的ななにかを特にした

というわけではない。いま一度

彦星と織姫のような大恋愛?をしてみたい

という欲望もなくはないが

毎日田畑で土いじってる男にはちょっと縁遠い。

雷雨の下で働くのは恐いので

今日は一日読書。

『横道世之介』 吉田 修一 著。

以前映画では観た。けどあらためて原作を手に取る。

2001年1月26日新大久保駅で起きた事件が素材。

酔っぱらってプラットホームから落っこちた男性を

助け上げようとして

目撃者の2人の男性もホームに降りて

3人とも轢かれてしまった。というのが報道だが

この小説のなかでは助けようとした日本人男性

をモデルに過去をたどって物語が進んでいく。

Dsc00330

2014年7月 6日 (日)

母豚

うちで飼っている豚のなかで

いちばん大きなのが母親ぶーのうーみん。

3年前の8月に産まれて

1年半前に子ぶーを12匹産んでくれて

それからもう一回種付けするが流産したらしい。

らしいというのは妊娠の兆候が確かにあったのに

乳房の張りもなくなって再び発情期に入った。

結局次の種付けは次世代の母豚にしよう

ということになって今回

うーみんを屠畜場に連れて行った。

なにしろ体が大きく

警戒心も人一倍いやぶた一倍強く

なかなか檻に入ってくれず男4人でおたおた。

最後にはまっきーが鼻括りをうまく操り

なんとか押しこんだ。うーみんとの思い出が

あふれてくるがこれも運命。

Dsc02477 去年出産間際の彼女。